恐れず侮らず

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入門ビジネス英語(2014)/受験英語はかく語りき(第19回)

秒速でわかる「クジラの構文」(2014年10月号)

  • 例題:不正解

クジラの構文がわかりにくいのは、no more ... thanの構文が難しいのではなく、クジラの例文がよくない。普通、moreときたらmore beautifulとかmore wonderfulとかを期待するわけだが、A whale is no more a fish. という文章が(否定を取って、A whale is more a fish.としても)そもそもわからないのである。もっと普通の例文ならそんなに間違えることではない……と思ったら、例題を間違えた。

話を複雑にしているのは、多くの参考書では、no more ... than と並べて no less ... than をあげ(ごていねいに「美人の公式」などと名前をつけて)前者は否定、後者は肯定と解説していることである。本記事では「no+比較級~than」で統一的に説明していたのはよかった。

この構文のキモはthan以下ではないだろうか。thanと見ると、両者に差があるように思えてしまうが、「同じ」だということ、そして、言いたいことを強調するために、誰もが事実と認めることをthan以下で引き合いに出している、ということだと思う。than以下は共通認識であり、thanの前が発言者の主張なのだ。それがわかれば矢印を引かなくてもわかる。

それより、ここでは微妙な例文まで出しておきながら触れていないが、以下のふたつの文の違いの方が重要だと思う。

  1. His proposal is not better than hers.
  2. His proposal is no better than hers.

1は彼と彼女の違いを述べているだけで、二人の全体の中での位置づけはわからない。2は二人とも全然ダメなのである。



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