クリスの英語でよもやま話(34)
- Words have no meaning!(言葉には意味がない!)
「犬」という言葉は、ある人にとっては最高の友人であり、ある人にとってはうるさい動物を意味する……という例が挙げられているが、これは言葉の問題とは切り離して考えるべきではないか。言葉の役割は、「犬」と言った時に双方が同じ犬の種族のことを認識できることであり、その「犬」に対しる好悪は別問題だと思うのだ。
英単語は語源でニャンとかなる (22) ゆらゆらしている言葉②
- duo(2)
- doubt(疑う)←ふたつのうちどちらだろうか
- double(2倍、あいまいな)
- duet(二人で歌うこと)
- revenge(復讐、仕返し)
日本語のリベンジは再挑戦という意味でよく使われるが、英語は「復讐」「仕返し」の意味、との説明があり、驚いた。revengeはあくまで「復讐、し返し」ではないかと思うのが、思い返せば松坂大輔がデビュー直後(1999年)、マリーンズのエース黒木知宏と投げ合って負け、試合終了後に「リベンジします」と言ったこと、その次の黒木知宏との対決では完封勝ちしたことから、この「リベンジ」が流行語となった。そしてみんなが何にでも使うようになった結果、意味が軽くなったわけか。松坂自身は、それなりに強い決意で仕返しを誓ったのだと思うが。
本コラムの例では、登山に失敗して再挑戦を誓う人は I will take revenge. ではなくI will try again. がいいとあるが、登山は意味の強弱というより、相手がいないからrevengeはおかしいよな。
ちなみに(二度目の対決で)負けた黒木知宏が言った、「松坂クンは末恐ろしいというより、既に恐ろしい」というのは名言だと思うが、その後、取り上げられたのを見たことがないのでここで書いておく。