- 外国語学習について新書を読んでみた(鰤端末鉄野菜 Brittys Wake、2009/03/28)
この記事で紹介されていた「外国語上達法」(千野栄一著、岩波新書)を読んでみた。岩波新書を読むのは久しぶりだ。これで英語はバッチリ! みたいな本は山ほどあるが、そうした類書とは一線を画する本格的な本である。なるほどと頷くことしきりではあったが、これは第二外国語を学ぶ時にすごく参考になりそうだった。英語に関しては……
一番大切なのはやる気だということ、それから、お金をかけないとダメだということ、やる気があるうちに最初の壁を超えてしまおうということ。今ちょっとやる気になっていて、一ヵ月分の給料を超える金額を英語教育につぎ込んでしまった自分としては、自分のやり方がさほど間違っていないと裏が取れ、ほっとしたところか。
まず1000語を覚えよう、3000語覚えれば文章の9割はわかる、あとの1割は辞書を引けばいい。3000語覚えたらその言語は一応の「あがり」だ、とある。手許にある「新グローバル英和辞典」では、1000語に「***」、次の3000語に「**」がついている。今、試みに、適当に10回ページを開き、そこに出てくる「***」の語と「**」の語を見てみたが、知らない単語はひとつもなかった。少なくとも4000語レベルは知っているのだ。
それから、動詞の原型・過去・過去完了、形容詞の比較・最上級と、活用もほぼ理解している。まあ、英語の活用はさほど難しいものではない。
となると、一応英語は「あがり」のはずだ。それなのに会話も読み書きもpoorなのは、基本的な語ほどいろいろな意味があるのに、それを十分に理解し使えていない、つまり語彙の理解度が全然足りないとか、文法的な知識の不足とか、知識がバラバラで有機的に結び付いていないとか、これまで使っていなかったから錆ついていて思い出すのに時間がかかるとか、いろいろ考えられる。が、基本的な知識が大きく欠落している(これから相当量の知識を吸収しなければいけない)というわけではなさそうだと思えたのはありがたかった。
まあ、本書の中にも出てくるが、勉強の仕方がわかった、ではなく、おかげで××語が身についた、と報告したいものである。そうでなければ本書が正しいかどうか、立証したことにならない。
- 作者:千野 栄一
- 発売日: 1986/01/20
- メディア: 新書