恐れず侮らず

英語の勉強を始めましょう

difficultはimpossibleではないというが(5月23日の進捗/入門ビジネス英語)

UNIT 12(review)

Review Quizは4問とも確信を持って正答。当たり前だが。

Intercultural Notesで、

日本語で「難しい」は時として「不可能」を意味しますが、difficultはdifficultであって、impossibleを意味しません

とあって、ちょっと気になる。例として次のようなやりとりが挙げられている。

マネージャー(アメリカ人):ここのお客さんに10万ドル売ってきてください
営業担当(日本人):それはdifficultです
マネージャー(アメリカ人):頑張ってね

日本人の営業は「無理だ」という意味でdifficultと伝えているが、マネージャーはそうは思っていない。こういう時はきちんとimpossibleと伝えないと、あとで窮地に陥る……というのだが、はたしてそうだろうか?

日本人同士の話でも、営業担当が目標を与えられて「ええっ、それは無理ですよ」などと簡単に答えると、たいていは怒られる。なぜやってもみないで無理だなどというのか、と。実際、無理かも知れないと思っても、あれこれ努力するとできてしまうこともあるわけで、「無理だ」とハナから諦めるのではなく、わずかな可能性を求めて努力してみよう、という含みが「難しい」という言葉にはある。そしてトライする以上、可能性はゼロではないのだ。だから「難しい」=「不可能」ではない。

一方、difficultはimpossibleではないかも知れないが、それこそdifficultはdifficultであって、必ず成功するわけではない、むしろうまくいかない可能性の方が高いわけだ。だから、マネージャーとしては、その案件がdifficultだと聞いたら、保険をかけておかなければいけない(うまくいかない可能性を考えて、別の手を打っておかなければならない)。あらかじめdifficultだと伝えていたにも関わらず、不首尾に終わったからといって担当者がただちに窮地に陥るようでは、問題があるのはマネジメントの方だということになる。

ついでにいうと、五分五分かそれ以上の可能性があると思っても、あえて「難しい」と言うことは往々にしてある。理由はいろいろあって、

  1. あまり早い段階から期待させず、あとでサプライズとしたい
  2. 難しさを印象付けておいて自分の手柄を強調する
  3. 大丈夫だと報告していて最終的にダメだとダメージが大きいため、得てして可能性を低め低めに報告する傾向がある

など、さまざまな理由がある。言葉の表面的な意味は確かに「可能性が低い」という意味だが、「彼が難しいといったらだいたい大丈夫だろう、本当にダメな時はダメだと言うから」と思われている人は少なくない。

日本語で「不可能」と言った場合は、可能性はゼロである。impossibleはゼロではないのだろうか。もし20〜30%くらいの可能性があっても(20〜30%くらいの可能性しかなかったら)impossibleを使う、というのならわかるのだが。