恐れず侮らず

英語の勉強を始めましょう

「ラジオ英会話」でディクテーション その2

ダイアログのディクテーションをし、写真を撮ってtwitterに投稿する。その後はタグをたどって他の人の投稿を見る。写真は影があったり小さかったりして、必ずしも読みやすいものばかりではないが、拡大してていねいに読む。特に、自分が間違えた箇所を他の人ができたかどうかは気になる。私は心が汚れているので、同じ箇所を間違えている人が多いとほっとする。

他人の投稿を見て自分の間違いに気づくことがある。たとえばLesson 54でpotatoesという語が出て来た。自分はpotatosと書いた。これが正しいと思い込んでいたため、テキストを見てチェックした時も気づかなかった。ところがある人がpotatosと書いた上に赤でバツ印を付け、potatoesと書き込んでいるのを発見し、あれっと思ってテキストを再確認して、間違いに気づいた。

スペリングに限らず、あることを思い込んでしまうと、正しい説明を読んでも間違いに気付けないことはある。独習につきまとう問題。だから「教師」の存在は貴重なのだが、教師不在でも、ネットを通じた集団学習である程度避けられるのは発見だ。

ところで、こうして他人のノートを見ていると、ずいぶん採点が厳しいなあと感じることが多い。何を目的とし、どういう勉強法を取るかは人それぞれだから、他人が口を挟む筋ではないというものの、気になっている。

文の区切り

一番多いのは、文の区切りの問題。

例えばLesson 63には

I was wondering, maybe I should start watercolor painting.

という文がある。これを

I was wondering. Maybe I should start watercolor painting.

と書いてしまい、ピリオドと大文字のMにバッテンをつけて直している人がいた。これ、直す必要があるだろうか。

I was wondering if ... みたいな文であれば、I was wondering. で切ったらおかしい。でも今回の場合は別に文を分けてもおかしいことはない。実際、昨年度のLesson 11には "I was wondering. Can I make a to-go order?" という文例がある。カンマでもピリオドでも表記としてはどちらも正しいのだ。ディクテーションはテキストの表記を「当てに行く」のが目的ではない。こうした箇所に朱を入れる必要はないと思うのだ。

文末の「!」

文末に「!」がつくかどうかは、文字化した人の気分の問題。テキストの表記と違ったからといって直す必要はない。上記と同様、テキストの表記を「当てに行く」のが目的ではないのだ。

つぶやきや叫び声

話者がアーとかウーとかオオとか言った時に、それが文字化されるとAhだったりUhだったりHmmだったりするが、こんなのは言葉ではないのだから、テキストと表記が違ったからといって朱を入れる必要などまるでない。適当に書けばいいし、書かなくたっていい。

通名詞の固有名詞扱い

uncle, auntなどを大文字で始めるか小文字で始めるかは悩ましい問題。Lesson 59の "Uncle Barry" はバリーおじさんに向かって呼び掛けている。固有名詞扱いだから大文字になる。Lesson 62の "Commander" も同様。そう言われればその通り。

しかし文中に出て来た場合は微妙。my Aunt Akiは「アキおばさん」で固有名詞扱いとも取れるが、「私のおばさんであるアキ」と考えれば単なる普通名詞。Lesson 24では "my Aunt Aki" だが昨年度のLesson 108では "My aunt Aki" と小文字である。結論としては、大文字でも小文字でも書く人の考えでいいではないか。テキストと違っていたからといって直ちに誤りとする必要はないのでは、と思う。

Lesson 51ではアキラが次のように発言している。

  • How are things on Earth?
  • I would love to return to Earth soon.

earthは本来は普通名詞.どの地球かはひとつに決まるから定冠詞がついて the earth と書くのが普通。ただし天文分野ではMars, Venusなどと同じく固有名詞扱いにする(定冠詞をつけず、大文字で始める)ことが多い。上記のアキラの発言ではtheがついていないから固有名詞扱い。だから大文字で始めないといけない、ということになるのだろう。

ただしthe earthはthe Earthと書くこともあると辞書に載っている。earthを大文字で始めるか、小文字で始めるかは微妙な問題。一概にどちらが正しくてどちらが間違っていると安易には決められないのではないか。

少なくともディクテーションとしては、おじ、おば、あるいは地球と正しく聞き取れていることが大切で、大文字小文字についてはあまり厳格に考え過ぎない方がいいと思う。orthography(正書法)を否定するわけではないが、ディクテーションとは区別すべきだ。

固有名詞

FrankieをFrankyと書いてしまったら、これは訂正する必要がある。もっとも自分は、当初からなぜFrankyではなくFrankieなのかは気になっていた。これでは女の子みたいだ。命名したのはJeannieなので、彼女なりに何か思うところがあったのだろう。漫画ONE PIECEに登場するフランキーはFrankyである。

固有名詞の綴りは難しい。クサカさんと言われても久坂さんなのか日下さんなのかは、ネイティブだってわからない。だから固有名詞(特に人の名前)は、間違いは間違いだが、間違えても気にする必要はないと思う。

実際の場で固有名詞を書く時は、うろ覚えのままいい加減に書くようなことは、決してしてはいけない。信頼できる資料を見ながら、慎重に、正確にタイプする必要がある。逆に言えば、無理に暗記しなくていい。

他にもいくつかあるが、このあたりにしておく。厳格さが求められるジャンルもあるだろうが、語学の場合は「同じような意味の表現はいくらでもある」から、テキストに書いてあることが絶対唯一の正解だとは思わない方が、いい結果を生むと考えている。Lesson 53に出て来た表現を流用して、We must stop being so hard on ourselves!



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