ARRIVING AT LA
"Thank you very much!!" とスチュワーデスさんに元気よく挨拶して機外へ。降りた人が固まっており、何をしているのかな? と思いつつもそばにいる。そのうち動き出したので一緒についていくと、隣を歩いている褐色の肌をした、人懐っこそうなお兄さんが英語で話しかけてきた。
「どこから来たんだ?」
「日本から」
「ふーん。で、どこまで行くんだい?」
「ラスベガスだ。COMDEXを見に行くんだよ」
「ええっ、じゃあ君は間違えているよ。僕たちは皆サンパウロに行くんだよ」
彼らは団体客だったのである。危うくブラジルまで行ってしまうところだった。彼は、僕一人だけ異質だと感じ、確かめてくれたのだろう。もし彼が声をかけてくれなかったら――と思うと、ぞっとした。*1
IMMIGRATION AND CUSTOM INSPECTION
さあ緊張の一瞬! 旅行先とか、目的とか、滞在期間とか、いろいろ訊かれることを想定し、頭の中で会話のシミュレーションをしていたのである。が、documentとパスポートと航空券を見せたら、何も言わず処理終了。気が抜けた。
INTERNATIONAL TELEPHONE
ロビーに出ると、早朝であるためかあまり人影がない。*2まあ、その方が落ち着いて行動できる。取り敢えず自宅へ電話。クレジットカードを利用した国際電話も、KDDの人から聞いていた通りのやり方でちゃんとつながる。声もクリアで、まず一安心だ。*3
MONEY EXCHANGE
出発前に親類から、前にハワイに行った時の残りだという100ドル紙幣をもらっていた。はじめから外貨を持っていたので余裕が持てたが、高額紙幣なので、いずれにしても小銭に両替しなくてはいけない。1ドル紙幣をコインに両替するのは両替機があったから問題ないが、100ドル紙幣は……と見ると、EXCHANGEという窓口がある。
"Excuse me. Exchange, please." と声をかけて100ドル紙幣を取り出し、事前に練習していた通り、"Five tens and ten fives."(10ドル紙幣5枚と5ドル紙幣10枚に)と伝える。
ところが、"We don't have any fives." という意外な答え。気が動転する。
何かいろいろ説明してくれたが、たまたま切らしているのか、ここでは5ドルは取り扱っていないのか、そもそも5ドル紙幣は存在しないのか(そんなバカな)……ともかく5ドルはないらしい。
まあ、"Then, all tens, please." でなんとか事なきを得たのであるが。