UNIT 9(review)
この週のスキットはいろいろな意味で突っ込みどころ満載なのだが、エンリケの説明には不満の意を述べておく。
新製品(ノートパソコンらしい)の特長として、
- 長持ちするバッテリー、
- 高画質のディスプレイ、
- 簡易な無線接続、
- 超高速プロセッサ、
の4点を挙げているが、これでは何も言っていないのと同じである。
これから先、営業報告などで「数字をあげて具体的に説明しろ」とたびたび注意される場面が出てくる。しかし、Give me the fugures! は何も営業数字だけではない。こうした機能の説明こそ、数字を挙げて具体的に説明する必要がある。長持ちするというのはどのくらい長持ちするのか、ディスプレイはどういう点がどのくらいクリアなのか。プロセッサなどは、何十年も前から新製品が出るたびに超高速だと謳われる。が、数年前の製品は使い物にならないこともまた周知の事実であろう。*1
英語のテキストという制約上、あまり具体的な製品スペックをあげるわけにはいかない事情もあるだろうが、せめて「ひとつ前の製品より、バッテリーは2倍、演算性能は1.5倍」のように述べることはできたはずだ。単なる英語表現ではなく、英語によるビジネス・スタイルを学ぶことを謳い文句にしている講座だからこそ、そして多くの場面でそれは実現されていると思うからこそ、テキストのこの部分だけは残念に思う。
ちなみに、chipsetという言葉は完全に間違って使われている。誤解されやすい用語であり、一般向けのコンピュータ解説書などでもしばしば間違えているから、致し方ないかとも思うが、ハードウエア会社の人間が間違えるはずはない。テキストを執筆した人が誤解していて、専門家のレビューを受けなかったのだろう。まあ、製品説明自体がかなりピント外れだから、この点はこれ以上突っ込んでも仕方ない場面であるが。